2020/09/01 06:28

当工房の藍染は、『天然灰汁発酵建て』と呼ばれる藍染で、江戸時代中期に一番染め技法が進化した藍染をそのまま復元した藍染です。

この藍染には驚くほどたくさんの優れた効果効能があります。

しかしながら、現代、藍染がブームにもかかわらず、そのほとんど99%以上の藍染がこの正統な藍染ではなく、藍染は昔こう言われていました・・・という表現方法で語られていたりします。

中には効能が無いばかりでなく、最近では逆に肌荒れを起こすものも増えてきているため、私たち『藍染工房∞エノクの輪』は、こういった曖昧さを一掃したいという想いを常日頃から感じておりました。

これは消費者の皆様を守ることと、手間暇をかけて本物の藍染に力を注ぎ、良い物を提供したい!と日々精進している染師を守りたいという願いのもとに、当工房が推進している理念です。

以下の藍染の分類分けは、消費者の方々が藍染に対しての知識を深め、高価な金額で藍染風のものを購入されないための一つの指針にして頂ければと思い、記させていただきました。
 

【現代の99%以上の藍染は、江戸時代、優れた効果効能で庶民に愛された醗酵で染める自然そのものの藍染とは異なるものです】

現在、流通している藍染には大きく分けて以下のものがあります。
(当工房がご提供している正統な『江戸時代の灰汁発酵建て藍染』以外のものとなります)

①化学藍(石油から作られる青い化学染料)で染めたただの青い衣類。

②植物の藍を使っていながらも、青い色素を引き出すためにそこに化学薬品(苛性ソーダ、ハイドロサルファイト等)を投入し、化学建てでありながらも自然藍染めと称しているもの。

③灰汁建て、発酵染め、本藍染めと称しながらも、染め液の中に糖類(ブドウ糖や水飴など)を投入しているため、発酵が弱くても糖類の還元作用で青い色をどれだけでも引き出すことができ染められる糖添加の藍染。独特な腐敗臭を持ち、黒っぽい色味で、色落ちや色移りが激しい染め。

④現在では正藍染や地獄建てと称し、撹拌や温度管理をせず、染め液を基本的に放置しておくため微生物が活性化しておらず、薄い色しか染まらない染め技法。撹拌をして酸素を入れないので、嫌気菌と好気菌のバランスが悪く腐敗に偏っていることが多い。江戸よりももっと古く染めが始まった頃のものをそのまま採用している。

⑤上記の混合染め。天然の藍染に化学藍を投入したり、藍から造る染料の蒅(すくも)にも化学藍が混入されている場合もある。

上記の藍染の中でも化学薬品を使用しているものに関しては、肌荒れを起こしたり、かなり危険な化学物質を使用していたりするため、染め上った衣類に化学薬品が残っていたりします。

これらは本来の藍染とはまったく目的が真逆の商品となりますので、マスク等は特にお気を付けくださいませ。
(当工房は消費者と本物の染めを提供している染師を守るため、江戸から続く本物の藍染を知っていただく活動をしております)