2017/05/30 03:40

本藍染の藍建てに最も重要な原材料は藍の染料・蒅(すくも)と灰汁です。

中でも製造に最も技術を要するスクモは、藍の乾燥葉を高く積み上げ、5日ごとに水を掛け天地返しを繰り返して100日間で発酵させて作られます。

現在、流通するスクモを作る藍師は徳島に5軒のみです。

その作業は、発酵と共に室温は70℃にもなりアンモニアガスが充満する中で行われる過酷なものです。

こうして作られたスクモから染液をつくる作業を藍建てと呼び、染師の作業となります。

当店が使用しているスクモは、佐藤昭人19代目御当主の佐藤阿波藍製造所がつくる染師垂涎のスクモです。

佐藤阿波藍製造所のスクモは5軒ある藍師の中で、唯一白い花が咲く『白花小上粉』(しろばなこじょうこ)とよばれる品種を使った高品質のスクモです。

佐藤阿波藍製造所の製造量は日本のスクモの半分で、1俵が58KGを500俵製造していると言われていますが、現在では需要に供給が追い付かず不足しているということで、毎年増産しているようです。

入手困難の中、ありがたいご縁をいただいたことに感謝です。

佐藤阿波藍製造所の屋号『かくいち』が刻印された1俵58KGのスクモが入ったかます。

発酵したスクモはほろほろとした土のようです。この中に藍の色素が凝縮されています。