2016/09/05 19:56


デニムを染め始めました。


デニムと聞くと、やっぱりジーンズを思い浮かべます。


でも、ジーンズの藍色は、化学的に作られた合成藍の青ですから、天然藍で染める藍染めとは似て非なるものです。

(藍で染めたジーンズをあえて販売されておられるショップは、もちろん別ですけどね)


ですから、普通に売っているジーンズは、言うまでもなく色はもちろんのこと、藍の効能などはまったくありません。




古来、人は薬を染み込ませてそれを纏う・・・という意味合いで衣服の染色を重視していました。


しかし、産業発展と共に「染める」という工程はその意味を失い、いかに多くの繊維を一度に大量に着色するかが、人間にとっては最重要事項となってしまいました。


そして約100年ほど前に、ドイツで化学合成藍・ピュアインディゴが発明されたのです。


それ以降、合成インディゴは安価で大量生産が出来るため効率化が進み、たくさんのモノに使われるようになりました。


そのため、時間がかかり量が不安定で不純物の多い天然藍は、どんどん衰退の道をたどるのです。



合成インディゴの発見から約100年ほど経った現代の私達の生活では、今や当たり前のように日用品に合成インディゴが使われています。


ですから一般に売っているデニムに称される藍色・紺色は、合成藍ピュアインディゴのことなのです。



合成インディゴの単一的な発色に比べ、天然藍の色には深みがあります。


その天然の色の美しさの魅力は、「不純物」が創り出しています。


この不純物が、いろいろな条件下で様々な反応を起こします。


インディゴブラウンやインディゴブルー、インジルビンという様々な色が交じり合って、独特な青を生み出すのです。



天然藍の藍色は、複合成分が交じり合った色の深み・・・というわけです。



ですから、この藍の青という色の中にはたくさんの色が入り混じっているため、どの色とも合わせやすいと感じます。

だから藍染は、いろんな草木染のベースにも使われたりするんですね♪


もちろん、他の衣服とコーディネイトをする時にも、絶対的な決め色というのが少なく、ほとんどの色にマッチしますよね。


この「不純物」が醸し出す藍色・・・惹きこまれるこの天然藍の青色は、寒色でありながらも、なぜかぬくもりや温かさ、更には安らぎさえをも感じてしまいます。


それは、「不純物」の存在によって多種の色が重なり合い、奥行きとなり醸し出された調和の色だからなのだと思います。


藍色の効果として謳われている「鎮静作用」は、まさにそういう物理的現象によってもたらされた 自然からの贈り物だとしみじみ感じます。。。


※イライラや不眠症に悩む方には、藍染めはとってもお薦めです♡